雑草は人間が生み出した!?雑草学が面白い

自然栽培のお手伝いや家庭菜園をやり始めたころから「雑草」への興味関心が高まっていました。
すべての始まりは自然農法という雑草を敵としない農法があると知ってからです。

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雑草を完全に排除するのではなく、作物と共に共生させるという所に興味が湧いたんです。
そんなんで作物は育つの?近所の畑や水田は雑草ひとつ無いけど?

そんな疑問を持ちつつ、トライしてみたところ、まぁ収量は上がらないですが確かに作物はできる。
肥料も農薬も無くても作物は育つんや!となんか目から鱗的な感じになってました。

でもそんななかでも作物より巨大化した雑草は除去していました。また作物周辺の雑草も一部刈って雑草マルチにしてましたけどね。

放っておくと夏場なんてどんどん成長します。
ほんと、いったいどこから養分を吸収してるのか不思議なくらい。

また、自然農法では生えている雑草の種類で土壌環境が分かるというのも興味深い点です。草それぞれの特性を把握してるってことですよね。

そんな雑草に関する書籍をたまたま目にしたのでちょっと興味深い部分をピックアップしたいと思います。

雑草社会と人間社会は運命共同体

人間による石器時代からの自然の大破壊の進行に対して、植物の側からも、破壊された新しい環境にうまく適合するものが進化し現れてきた。

まさに人が開拓して環境を変化させたことによって雑草というものが発生したというなんともジレンマ的な感じになってます。

しかもこの進化は現在進行形で、近い過去と現在とで進行している生物進化とのこと。

数先年以上前の昔から、人は野生植物の中から有用なものを探し出し育てるようになります。
選ばれたものは作物へ。選ばれなかった草は、除去されながらも耕作の間隙をぬっては生き続けます。それが人から見れば雑草となります。

作物は人の手によって改良されるが、それにつれ雑草も進化しながら生き長らえています。
なので、雑草は間接的に人間が培ってきた草ということだそうです。

雑草と野草

雑草は人の手が入った所で生き抜く草(というかほとんどは人が手を入れていない所では生きられない)という認識ですが、野草というのは人の作用からある距離を置いているものを言います。

雑草は環境適応能力が高く小回りが効きますが、野草は小回りが効かないものが多いようです。なので人による環境の変化で衰退するものも出てくるんです。

雑草と雑穀

ヒエ、アワ、キビ、モロコシ類などを雑穀と呼んでいます。
最近は雑穀ブームみたいなものもあり生産されている方も以前より増えたみたいです。

もともとオヒバシとシコクビエは縁の近い草であって、昔の人が栽培に適したものを選んで育てたのがシコクビエになり、それから外れたものが雑草のオヒシバとなったのではないか

雑穀のヒエに対する雑草のイヌビエ、雑穀のアワに対する雑草のエノコログサ

今ある穀物、作物というのはやっぱり人の手によって産み出された先人からの贈り物なんだと感じずにはいられません。そんな贈り物、大事にしないとですね。

コムギとタルホコムギ

小麦は今や世界3大穀物のひとつとなり、人類にとって極めて重要な作物です。
そんな小麦は長い年月を掛けて育種されてきました。

そんな今のコムギができる要となったのがタルホコムギという樽型の穂をつける雑草だったんです。
その雑草と交雑していなかったら、今のコムギは無かったと言われています。

タルホコムギという雑草が無ければ、いま私たちが食べているパンやパスタ、ラーメン、うどん、ピザが無かったということです。いや、もうタルホコムギ様になんと言ったらいいのか。感謝感激雨あられです。

もう、タルホコムギ様を雑草とは呼べませんね。もはや神草です。

実は、雑草がそんな作物の誕生に寄与することはそんなに特別なことではないみたいです。
例えばライ麦とかも元々雑草だったものを、栽培用に改良したものだそうです。

さいごに

雑草っていままで邪魔な存在、迷惑な存在くらいにしか思っていなかったです。
でも、実際に裏側を知ると、自分達の生活を支える存在でもあり、雑草無しにはいまの人類の反映は無かったと。

それを思うと、雑草も無下にできない共生すべき存在だと認識が変わりました。

何気なく手に取った本でしたが、思いの外、新たな発見があり、いい出会いができたなと思います。

これからは道端や公園の草たちをもうちょっと注意深く見てみようと思います。
新種の作物のきっかけがあるかもしれませんもんね。

ほなまた。
 
 


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