最近流行りのミニマリスト本と思って何気なく手にとったこの本。
でも、これはモノを減らしてシンプルにしましょうといったものではなく、仕事、生活すべてをシンプルにして豊かに暮らしましょうという本です。特に仕事についてシンプルにすることで自由で豊かに、というビジネス書的な内容となっております。
人生をシンプルにするには
本当に大切なものを見極め、それ以外のものを取り除く。
ことが大事だと著者は言います。
シンプルながら参考になる点が多かったので、減らす原則と共に気になったトピックを紹介したいと思います。
「減らす原則1」制限する
あれもこれもと手を出さず、1日のタスクは3つまでとか、メールの確認は1日2回にする等、自分自身に制限を設けることで、物事がシンプルになり、そこから自由になれると言います。
この「制限」という発想は逆転の発想だなと感じました。わたしたちは、どうしても欲張ってあれも、これもとタスクを増やしてしまいがちです。そしてマルチタスクで効率的にやるんだ、と。それが正解なんだと言わんばかりに効率化の書籍が書店に山積みになっています。
でも、人間は基本的に同時に複数のことは出来ないといいます。
できたとしてもパフォーマンスは落ちるようです。
一つのことに集中して一つづつこなしていく、そんな姿勢が大事ということですね。
「減らす原則2」本質に迫ることだけを選ぶ
1日は24時間と限られた中で、何に注力するか。それは重要な問題です。やらなければならないことはいくらでもあります。
その中で本当に自分の人生にとって大事なこと、重要度が高いものを選択して、行動することが大事だと言います。
例えば、日々の暮らしの中でシャツをアイロンがけするというタスクがあったします。やらなきゃいけないですけど、それは本当に大切なタスクですか?と自分に問うわけです。そこでそれはそこまで重要ではないと判断すれば手放すことも必要ということです。クリーニング店にお願いすればいい訳です。
なんでも全部やろうとしないで、優先順位をつけてやること、やらないことを取捨選択しましょうということですね。
色々やり過ぎている自分に気付かされました。もっと絞らないと。
「減らす原則3」シンプルにする
この原則はモノを減らして空間をシンプルにというミニマリスト的な内容となっています。
余計なモノが多いと、余計な思考、雑念が入ってきて、日々の生活を阻害します。掃除もやりづらく、億劫になりがちです。
余分なものを欲しがるくせに、持てば持つほど不安になるパラドックス。
身の回りは必要最小限でいきたいものです。
「減らす原則4」集中する
原則1の制限するとリンクするのですが、シングルタスクを行っていくうえで、生産性を上げるには「今、ここ」に集中することが大事だと言います。
実際にやってみると、中々「今、ここ」を掴むことは中々出来ません。昔のことが気になったり、先のことが不安になったり。人間て面倒くさいですね。
著者もこれは訓練することで鍛えることが出来る力と言っています。
実際には過去も未来も存在してなくて、今この瞬間しかないんですけどね。
だから現実には時間というものは存在してないんです。
それは人間が創った幻想。
その「今、ここ」にどれだけ集中できるか。
日々、訓練あるのみです。
「減らす原則5」習慣化する
ルーティン=習慣化してしまえばあとは自動的にカラダが動く。毎回意志の力を使うことなくタスクや、目標が達成できるようになる。
良い習慣は、良い人生を作ります。その逆もしかり。
意志の力には限りがあるので、気合いだけで続けようとするといつかダメになります。なので、意志の力が尽きるまでに習慣化してしまうことが大事だということです。
その習慣化をモノにするには原則6が大事だと著者は言います。
「減らす原則6」小さくはじめる
なんでもかんでも、初めから色々やり始めないということです。1つづつ着実に習慣化させていくのが効果的と言っています。
1週間に一つづつ、もしくは習慣化したと感じたら次のルーティンに取り組むことが重要といいうことですね。
さいごに
人生、暮らしをシンプルにしてもっと自由に生きたいというニーズは年々高まっているように思います。これも現状の先の見えない時代への反応なのかなと感じます。
もっともっと、という「得る」こと=「豊か」と思われていた時代から「持たない」こと、「手放す」こと=「自由で豊か」という時代へシフトの最中ってことですかね。
本書ではシンプルライフを実践するための実際の方法、ヒントが色々詰まっています。
あなたの本当に大切なものは何ですか?
ではまた。
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