まいど@takasugiuraです。
以前から自然栽培、自然農法の勉強をしていますが、書籍では結構分かりづらいものが多く途中で諦めてしまいそうになることがあるのですが、この本に出会ってなんか腑に落ちたというか、あっ、そういうことね、とスッと体に入ってきたというか。難しいことを考えずにとにかくやってみようと思わせてくれる書籍です。自然農、自然栽培に関心がある方は必読です。では、ポイントをいくつかピックアップして紹介したいと思います。
そもそも自然栽培とは?
まず、自然栽培というのは、草を抜かず、耕さず行う栽培のことで、肥料を用いなくても野菜が育つようになる栽培方法です。
これまでの野菜づくりで用いられている農薬や化学肥料、そして多くの資材を使わず、人偽を出来るだけ排して野菜を育てます。
自然と共生による栽培とは、自然を回復させながらあらゆる生き物との共生によって行う栽培の仕方です。
自然栽培は、森の大木や路傍の雑草が自然に育つ様に、本来自然界が持っているそうした地力を回復させることで作物を育てようとするものです。大地の仕組みを壊してから始める一般の栽培方法ではなく、すべてを生かすことによって行うのが自然栽培です。
自然栽培の畑は気づきと感動の場
野菜づくりの鉄則である、良く耕して草を抜き、肥料をたっぷり施す栽培では、株の生長や収量は無肥料栽培を上回るかもしれません。しかし、土壌環境が豊かであれば、自然栽培では病害虫が少なく健康に育ち、農薬を用いないため安全で、自然本来の恵みが収穫できます。
自然栽培を行うと、色々な植物が芽生えます。こぼれ種をはじめ、野鳥が落としてくれる草花や花木が芽生えます。
25年空き地だった場所を自然栽培の畑に変える
その空き地には毎年、勝手に大根が育成する一角がありました。以前の所有者が夏草を刈り取って積み上げた堆積場があり、そこに観賞用にまかれた大根が、毎年自然発芽するようになっていました。土が悪く、当初は花が咲く程度でしたが、昨年は50本の見事な大根に生長しました。無肥料、無耕耘、放任状態でも自然が回復すれば育つことを実証していたんです。
観察日記形式で経過を紹介
この本の大部分はそんな空き地が自然栽培の畑に変貌するまでの軌跡を描いたものとなっています。写真を多用し、経過を分かりやすく解説してくれてます。また、堆肥を使った場合と無肥料の場合の作物の生長の比較等もあります。野菜ごとの育成法、特徴、注意点も参考書のようにまとめられていていい感じです。
さいごに
収穫された野菜等の写真も多く掲載されており、「おぉ!自然栽培でこんなに収穫できるんだ!」という驚きの連続でした。また今まで常識と思っていた農に関する知識も覆されることもままありました。人は今まで手を掛けすぎていたんですね。そして、周辺の環境を見ずに、作物だけを見ていた。近視眼的になっていたんだと再確認しました。
自然栽培というのはできるだけ自然の生態系を活用しながら、最小の手間で収穫しようという農法です。言うなれば、狩猟採集生活と農耕生活の中間的なものなのかなと思います。
既存の農耕では労働集約的な部分があり、労力の割に暮らしは楽にはならない「貧乏暇なし状態」になってしまっている所は否めないと思うんです。
だからといって現状、狩猟採集生活が出来るほどの豊かな自然、土地はもう残されていません。慣行農業による労働力の搾取、作物の換金作業にも違和感がある。
そんな中、自然栽培というのはこれからの食料生産の鍵になると思っています。みんなが各々必要な分の食料を自分たちで自給する。自分たちで育てれば安心、安全です。産地偽装とか余計な心配はいりません。別に自足まではしなくていいと思うんです。ただ自給力を上げるだけでいい。足りない分はシェアするか、買ってくればいいと思うんです。その方が効率的です。
自分たち、そしてその地域で自給することができれば、外部から食料を輸送する必要も無くなります。フードマイレージがかかりません。
そんな自然栽培の魅力が詰まったこの1冊。ノウハウもたくさん載ってます。
家庭菜園からでも始めませんか?
ほなまた。